マイルの貯め方 基礎知識編

  • 2016/2/4

マイルを貯める前に知っておくべき基本の流れを解説します。マイルは難しいことを抜きにすれば、初心者の方でも簡単に貯めることができます。むしろ一度設定だけすれば普通に生活しているだけで知らないうちにハワイに行けるほどのマイルが貯まっていることもあります。

マイレージとは…

航空会社のポイントシステムのこと。貯め方は大きく分けて二つ。飛行機に乗ってポイントを貯めるか、クレジットカードを使ってポイントを貯めるか。貯め方が2種類あるのが、通常のポイントシステムと少し違う点です。(他の提携ポイントから移行するという手段もあります。Tポイント・楽天スーパーポイント・ナナコポイント・マツキヨ現金ポイント・Gポイント・Pontaポイント…などなど。主な交換比率は1ポイント=0.5マイルです。)

マイルとマイレージの違い

マイルとマイレージの違いはなんでしょうか?「マイレージ」はポイントシステム全体のことを指し、「マイル」は単体のポイントのことを指します。JALマイルのシステムの総称は「JALマイレージバンク(JMB)」、ANAマイルのシステムの総称は「ANAマイレージクラブ(AMC)」であり、それを単体ではそれぞれ通称JALマイルANAマイルと呼ぶことになります。

マイルとは

マイラーとは…

マイルを貯める人のことを「マイラー」と呼びます。飛行機に乗ってマイルを貯めることなく、クレジットカードを使ってのみマイルを貯める人のことを、飛ばずに地上でコツコツ貯めることから「陸マイラー(おかマイラー)」とも呼びます。

ちなみに航空会社の上級会員を目的に短期間の飛行機を1日に何度も乗り継いだり、SINタッチと呼ばれるシンガポールに行き即帰国&国内線を合わせるプランをこなしたりしてマイルを稼ぐ行為をその苛酷さから「マイル修行」と呼びます。そしてマイル修行にはげむマイラーのことを「修行僧」と呼びます。マイル修行で人気の路線などでは、孤独にマイル修行にはげむ修行僧同士が出くわすことが多々あります。

JALマイレージを貯める?ANAマイルを貯める?それとも…

■日本でマイルを貯める方の多くはJALカード系でJALマイルを貯めるANAカード系でANAマイルを貯める、のどちらかが多いです。その他、ユナイテッド航空の「MileagePlus(マイレージ・プラス)」、ブリティッシュ・エアウェイズの「エグゼクティブクラブ」、エミレーツ航空の「スカイワーズ」など各社のマイレージプログラムがあります。狙いの航空会社が決まっている方は一社に集中した方がポイントは貯まりやすくなります。

■またマイレージを決めないパターンもあります。例えば、「アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード」を使ってポイントを貯めた場合、そのポイントをその都度、提携航空会社のマイルに交換が可能です。「アメリカン・エキスプレス・カード」「ダイナースカード」のプロパーカードでも同様のポイント交換が可能です。自由に航空会社を選べる反面、ポイント優遇が少ない、提携が切れてしまうと交換できなくなる、移行費用がかかることがある、ポイント移行に上限がある、などがデメリットです。

航空会社のアライアンスを把握する

航空会社にはアライアンスというネットワークがあります。大きく分けて3団体。

スターアライアンス

1997年5月14日に設立。世界初にして世界最大の航空アライアンス。加盟航空会社は27社。ユナイテッド航空・ルフトハンザ航空・全日空・エアカナダ・シンガポール航空・タイ国際航空・ターキッシュ エアラインズ・アシアナ航空・エバー航空・スイス インターナショナル エアラインズ・中国国際航空などが所属する「スターアライアンス」。1999年にANAが加盟し、アライアンスという概念が広く知られることとなりました。

各航空会社の上級会員となり諸条件を満たすと「スターアライアンスシルバー会員」「スターアライアンスゴールド会員」にランクアップされる。ビジネス・ファーストクラス用・搭乗手続きカウンターの利用、ビジネス・ファーストクラス用ラウンジの利用、キャンセル待ちの優先案内…などの特典が与えられます。

ワンワールド

1999年に設立。アメリカン航空・日本航空・ブリティッシュエアウェイズ・キャセイパシフィック航空・エアベルリン・カンタス航空・カタール航空・マレーシア航空などの「ワンワールド」。2007年に日本航空が加盟し、日本における2大アライアンスのひとつになりました。

スカイチーム

2000年6月に誕生した3つの中で最も新しいアライアンス「スカイチーム」。加盟航空会社は20社。デルタ航空・エールフランス航空・アエロフロート・ロシア航空・アリタリア・イタリア航空・チャイナエアライン・大韓航空・ガルーダ・インドネシア航空・ベトナム航空など。

同じアライアンスの航空会社であれば、マイルを使って特典航空券を取ることが可能です。例えば、ANAマイルを使ってシンガポール航空の特典航空券を取る…など。JALが所属するワンワールドより、ANAが所属するスターアライアンスの方が航空会社数も多く有名航空会社も所属しているので、アライアンスの使い勝手という面では、ANAマイレージの方が有利と言えます。

マイレージの基本情報

マイルを貯めるクレジットカード選び

マイルを貯めるのに必要なのはクレジットカードです。年に何度も海外に行く人をのぞいては、クレジットカードをどう使うかがマイル貯金の大部分を占めることになります。

JALカード系でJALマイルを貯めるANAカード系でANAマイルを貯める第3のポイントを貯めてマイルに交換…などのパターンがあると説明しましたが、その中にそれぞれ特長を持ったクレジットカードが無数に存在します。

JALマイルを貯めたくて普段suicaで電車によく乗るという人は「JALカードsuica」を使ったり、ANAマイルを貯めたくて普段PASMOで地下鉄によく乗るという人は「ANA To Me CARD (ソラチカカード)」を使ったり、自分のライフスタイルにあったクレジットカードを選ぶことが大切です。

JALマイルANAマイルの維持費

JALマイル

マイルには通常のクレジットカードのポイントとは違う、少し複雑な部分があります。まずJALマイラーがほぼ入るのが、JALの「ショッピングマイル・プレミアム」です。通常200円=1マイルのところ、これに入ると100円=1マイルとマイルが倍貯まるという嬉しいプログラム。ただし、この「ショッピングマイル・プレミアム」は、年会費3,240円です。つまりJALマイラーとして生きていくためには、クレジットカードの年会費+ショッピングマイル・プレミアムの年会費がかかることになります。

ANAマイル

一方、ANAはというと、JALの様なショッピングマイル・プレミアム制度はありません。ではANAマイルの方がお得じゃないかというとそうではありません。こちらは「マイルの移行手数料」がかかります。「ANA JCBカード」で100円=1マイル換算であれば年5000円かかります。つまりクレジットカードの年会費+マイル移行手数料が必要になります。ただ一見するとANAの方が高いように見えますが、これは毎年かかる年会費ではないため、2年に1度交換などであれば、1年換算分としては費用が変わってきます。

単にクレジットカードの年会費だけでなく、さらに維持費もかかるのがマイラーへの道。その分1ポイントも逃さない覚悟でマイルを貯めることが重要です。

JALマイルANAマイルのポイントシステムの違い

JALマイル

JALマイラーが覚えておきたいのがマイルが2倍たまる「JALマイル特約店」です。全国に5万2千店舗あるというJALマイル特約店は、旅行、ショッピングにゴルフ場やレストラン、さらに美容・医療・タクシー・家電などのありとあらゆるジャンルにまで行き渡っています。この特約店でJALカードを使うだけで通常の2倍もマイルがたまります。

デパートの「大丸・松坂屋」、ガソリンスタンドの「ENEOS」、コンビニの「ファミリーマート」、スーパーマーケットの「イオン」、家電の「ノジマ」、ファミレスの「ロイヤルホスト」、本屋の「紀伊國屋書店」、紳士服の「コナカ」、楽器の「クロサワ楽器店」、ドラッグストアの「マツモトキヨシ」「ハックドラッグ」、引っ越しの「アート引越センター」「日本通運」、スーツケースの「サムソナイト」、タクシーの「東京無線」「大和自動車」、さらにレストランは全国にあり、変わったところでは、人間ドック・自動車保険・ワインスクール…など、多岐にわたります。

さらにインターネットでの買い物などをJALのサイトを経由することでマイルが貯まる「eマイルパートナー」があります。こちらは実店舗のマイル特約店より数多くのお店があります。例えば、ある日の人気ランキングによれば、1位「Amazon」、2位「ベルメゾンネット」、3位「ユニクロ」、4位「ビックカメラ.com」、5位「大丸・松坂屋オンラインショッピング」…となっています。本当にありとあらゆるジャンルのサイトが登録されているので、ネットで何か申し込む何かを買うという時は必ず一度JALマイレージバンクのサイトから提携がないかを確認してみることが大切です。

ANAマイル

一方、ANAに「ANAカードマイルプラス提携店」があります。この店舗でANAカードで支払いをすれば、クレジットカード会社のポイントとは別に100円=1マイル(or200円=1マイル)が貯まります。

デパートの「大丸・松坂屋」「高島屋」、ガソリンスタンドの「ENEOS」「出光」、コンビニの「セブンイレブン」、スーパーマーケットの「イトーヨーカドー」、カフェの「スターバックス」、ドラッグストアの「マツモトキヨシ」、引っ越しの「アート引越センター」「サカイ引越しセンター」、タクシーの「グリーンキャブ」「東京MKタクシー」、スーツケースの「サムソナイト」「リモア」「ゼロハリバートン」、コンタクトの「アイシティ」の他、レストランは無数にあり、マイルが貯まる不動産まであります。

さらにインターネットでの買い物などをANAサイトを経由することでマイルが貯まる「ANAマイレージモール」があります。実店舗のANAカードマイルプラス提携店以上に数多くのラインナップが揃っています。例えば、「楽天市場」「ヤフオク」「バイマ」「ユニクロ」「ロクシタン」「楽天ブックス」「グローバルWi-Fi」「Apple Online Store」「ル・クルーゼ」「ジャパネットたかた(200円=3マイル)」…などがあります。こちらもJAL同様、ネットで何か申し込む時や何かを買うという時は必ず一度JNAマイレージクラブのサイトから提携サイトがないかを確認が必要です。

例えば、高級宿予約サイトの「一休」。通常200円=1マイルのところ、キャンペーン期間中は200円=3マイルなど、常にどこかのサイトがキャンペーンをやっていますので、今お得なサイトを見つけて通常の何倍ものマイルをゲットするのもお得なテクニックのひとつです。何よりもちょうどキャンペーン中に買う予定だった高額な商品を買えた時などは何にも代えがたい喜びを得ることができます。

マイルの貯め方

実際にマイルを貯めることに関して、基本の流れを説明します。これは最初にやるべき基本中の基本です。マイルの世界には細かいコツや様々な裏技や存在しますが、まずはベーシックな部分を設定することで自然とマイルは貯まっていきます。

①公共料金などの固定費

マイルを貯まるに当たって大きな違いが出てくるのが固定費です。公共料金などの支払いは必ずマイルが貯まるクレジットカードで支払うように設定をしましょう。わざわざ連絡をしてクレジットカード払いに登録するのはめんどくさいと思って先送りになりがちですが、一度設定してしまえば後はほぼ自動的に支払いが済み、かつ自動的にマイルが貯まっていきますので、最初に小さな一歩を踏み出すかどうかで今後のマイル道が大きく変わってきます。ぜひとも重い腰を上げて公共料金の支払いをマイルの貯まるカードに変更しましょう。

公共料金の固定電話代、水道代、ガス代、電気代…など一度支払いを方法を見直すことが大切です。仮に4人家族の平均的な水道光熱費・月額25,000円で換算すると、一年で30万円。100円=1マイルで換算すると、3000マイル貯まることになります。

②ケータイの料金

同じく固定費となるケータイ・スマホの料金もマイルの貯まるクレジットカード払いに変更しましょう。こちらも一度設定してしまってそのままになっていることも多いです。これを機会に一度どのカードでの支払いになっているかを確認しましょう。

もちろんdocomoユーザーの方がケータイの料金だけは、docomoのDCMXカード支払いにして高還元率でポイントを貯めるという方法もありますが様々なポイントが分散してどれも使えない…ということにもなりますので、まずはすべての支払いをマイルに集約するという方法を取るのが懸命です。

③コンビニではクレジットカード払いか電子マネーで支払い

普段何気なく使っているコンビニ。まさか現金で支払っていないでしょうか?少額だからと現金で払っているようではマイラーへの道は遠いです。コンビニでは必ずマイルの貯まるクレジットカードか、電子マネーでの支払いを肝に銘じましょう。一度慣れてしまえば現金の支払いよりも確実に便利で支払い時間も早くマイルも貯まるので良いことしかありません。

クレジットカードは「クレジットカードで!」と言ってクレジットカードを渡すだけなので簡単です。サインもいらないので一瞬でお会計が終了します。

電子マネーの場合は、事前のチャージで気をつけなければなりません。クレジットカードからの電子マネーのチャージでマイルが貯まるかどうかはクレジットカードによって細かく決まっています。

例えば、Edyチャージでマイルが貯まるカードは、「ANA JCBワイドゴールドカード」「ANA ダイナースカード」「ANAカード プレミアム」と決まっています。他のクレジットカードからチャージはできてもマイルは貯まりませんので注意が必要です。対象のクレジットカードからのチャージで200円につき1マイル換算となります。

そしてマイルを使うときにも注意点があります。マイルを使うときには、これはEdyが搭載されているANAカードであればほぼすべてのカードで、Edyでの一回の支払い200円につき = 1マイル貯まります。チャージ&支払いも換算されれば200円=2マイル、支払いのみであれば200円=1マイル貯まります。注意点というのは200円につき1マイルという点です。コンビニなので、200円以下のものを買うこともよくあります。ただ200円以下の支払いではいくら電子マネーで支払ってもマイルはたまらないので気をつけなければなりません。

④通勤通学のsuicaやpasmoのチャージでマイルを貯める

通勤通学での電車賃を無駄にしてはいないでしょうか?suicaかpasmoを持っていながら、毎回駅でコツコツと現金でチャージしている人を見かけます。急いでいる時にチャージが足りなくなっていて改札で引っかかってイライラする上に後ろの人たちにも迷惑をかけて散々な目に遭っている人をよく見かけます。むしろ見かけない日がないほどです。

月に何万円になることもある普段の交通費。かならずマイルの貯まるクレジットカードでチャージをするようにしましょう。代表的なクレジットカードは、普段suicaで電車によく乗るという人は「JALカードsuica」を使ってJALマイルを貯めたり、普段PASMOで地下鉄によく乗るという人は「ANA To Me CARD (ソラチカカード)」を使ってANAマイルを貯めたりとやり方はいろいろあります。そのようなマイルカードを使って、オートチャージを設定しておけば、もう改札で引っかかることはありません。そして知らず知らずのうちにマイルが貯まっていきます。毎日の通勤、改札でピッとやる度にマイルが貯まると考えれば、通勤通学もさらに楽しいものになるのではないでしょうか。

⑤家賃

⑥保険

まだまだマイルを貯める方法は無限にあります。とにかくすべてマイルを貯められるんじゃないか?と考えて、日々生活することが鉄則です。

 

マイルとは、大人がハマるリアルなRPG

マイレージには制度変更が度々あります。航空会社やカード会社が様々なポイントシステムを発表。マイラーたちがその制度に合わせあの手この手で最も効率的にマイルを貯める方法を見つけていく。ある意味、合法的な抜け道を見つけ出す勝負のような構図になっています。それをめんどくさいと思わずに、“ルールが変われば勝者も変わる”。すぐに対応して新たに自分なりのマイルシステムを組み直し、他のマイラーより一歩先にお得にマイルを獲得する。そんなマイル・レースを楽しんで貯めることが醍醐味と言えるのではないでしょうか。

すでにマイラーとしてマイル獲得に慣れてしまっている人もクレジットカードの変更や引っ越しなどの際に忘れてしまうこともありますので、たまに基本のフローをチェックすることをオススメします。

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