アメリカでは「迷ったら買ったほうがいい」2つの理由

  • 2016/12/13

「旅先で迷ったら買え」は海外旅行の鉄則だが

ずいぶん昔、まだ日本人の海外旅行が珍しかった頃は、「旅先で買うか買わないか迷ったら必ず買いなさい」というアドバイスをよく受けたものでした。その理由が、「もし買わなければ、もう二度と買うチャンスがないかもしれないから」というものです。

1960年代に私の叔父が学会のツアーで一族で初めてヨーロッパ視察に出掛けた当時など「洋行」と呼んで、まさに一生涯で一度きりの海外旅行だと言われたものです。

ですから、土産物屋などで、「ひょっとすると割高かもしれない。他の店の方が安いかもしれない」と思うような土産物も、えいやと10個単位で買って帰ったのはこの時代。今にして思えば、中国人観光客の爆買いもこれと同じ心理なのだと思います。

さて、アメリカ旅行の際に「迷ったら買ったほうがいい」というアドバイスには、これとは違うもうひとつの理由があります。

New york

アメリカでは大概の小売店は「後から返品可」が普通

アメリカ旅行の際に「買うか買わないか迷ったら、とにかく買ったほうがいい」というもうひとつの理由。それはアメリカのほとんどの小売店は、気が変わったら返品ができるからです。

大手小売店や大きなショッピングモールに入っているお店のレシートには、大概、「30日以内にレシートと一緒に商品を持ち込めば返品できる」といったことが書かれています。

これは実は消費を喚起するにはとても理にかなった方法で、消費者が心配なしに衝動買いをすることができます。それで返品される確率は実際には数%の下の方ですから、まずは衝動買いさせることが商売上は大切なわけですね。

逆に言えば、旅行中の買い物で迷った場合で、やっぱり気が変わったときにもう一度お店に言って返品ができるような日程なら、まず買ったほうがいいでしょう。何しろアメリカの小売店は回転率が早いですから、今日あった商品が明日もあるとは限りません。

とりあえずレジに並んで商品をゲットして、夜、ホテルに戻ってじっくりと「いらなかったかなあ?」と反省会をすればいいのです。

さて、アメリカの小売店の中にはそれよりもさらに進んだサービスを提供するチェーン店があります。

自分で着て自分で破った商品でも返品OK

返品文化が進んだアメリカの小売店の中でも、さらに一歩進んだサービスを提供するお店、それはウォルマートです。ハワイに旅行した方なら、アラモアナショッピングセンターの裏側にあるウォルマートに出かけた方も多いと思います。

あのお店、創業者サム・ウォルトンの経営哲学で、たいがいの返品は受けてくれるようです。ウォルマートの本社のミュージアムにはこの伝統を示す展示がされています。10年以上使ったぼろぼろのテニスのラケットは「ご不満な顧客のために喜んで返品を受け入れた」という表示とともに展示されています。以前はその横に「ウォルマートが扱ったことがないメーカーの商品だが、喜んで返品を受け入れた」という展示があったぐらいです。

Walmart

私もウォルマートで購入したばかりのチノパンツを履いていたところ、リムジンに乗り降りする際に、ステップの金具にひっかけて裾を破ってしまいました。「自分で着て、自分で破いたスラックス、返品大丈夫かな?」と心配しながらウォルマートに持っていったところ、何の心配もなく普通に返品を受け入れてくれました。

「破れちゃったので」というのはウォルマートの側からすれば、そういう商品を売ってしまった責任を感じているのだと思います。その意味では、新品未開封でなければ返品できない日本よりも、ずいぶん進んだいいサービスだと思います。

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ズッキータ

ズッキータ日本にいないことが多い社長

投稿者プロフィール

会社社長。年10回ペースで海外出張。得意な方面はアメリカとアジアとビーチ。海外の仕事をみつけるとすぐに出かけてしまう。日本の仕事は大丈夫か?

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